|
年をとるのも悪くない。 『40歳問題』 監督:中江裕司 出演:浜崎貴司、大沢伸一、桜井秀俊、スネオヘアー、角田光代、箭内道彦 2008年12月 ★『40歳問題』公式サイト 最も魅力的な世代 突然の持論で申し訳ないが、今、最も素晴らしい音楽を生み出すのは、まさに"アラフォー"世代だと思う。10年程前に全盛期を迎え、一度自身と向き合う期間を経て、再び決意を固め動き出す。二度目のスタートは、単純な"儲け"とか"商売"といったような問題は二の次で、いかに己に嘘をつかないかというところにあるように見える。だからこそ、その音楽はとてつもなく偉大で魅力的なのだ。 わたしは今、26歳。まさにこの"アラフォー"世代の全盛期、青春時代真っ只中で、貪るように音楽を聴いていた。彼らが一度、表舞台から姿を消すと、わたしもまたパッタリと足が遠のいた。そして今という時代を生きる彼らに刺激され、怠け者のわたしは生き返ろうとしている。 サウントドラック。『LOST CONTROL』収録。 40歳問題 ミニ・オリジナル・サウンドトラック ![]() そういうわけで『40歳問題』という映画の製作を耳にしたときから、なんて素晴らしい観点を持った映画なのだろう、と期待していた。キャストはどうであれ、この世代にスポットを当てれば、色々なところに面白さが転がっている。所謂、中年の保守的な部分と打ち勝った人間が、音楽を続ける意味は非常に興味深いものだ。 映画館といえば、足を運びきれないほどたくさんあるが、圧倒的にこの渋谷シアターNに行く率が高い。どうしても見たい作品はここでの上映になってしまうのだが、毎度お客さんが少ない。そして今回はより一層少なかった。 選ばれた40歳は、FLYING KIDSの浜崎貴司、Mondo Grossoの大沢伸一、そして真心ブラザーズの桜井秀俊。完全にこの時点で、大沢だけが浮いているが、最後まで温度差がありすぎた。カメラが回っている前で、あそこまでナルシズム漂わせることができる大沢が、わたしには器用で滑稽に見えた。と同時に最後まで本音を見せなかった浜崎こそが、本当の『40歳問題』の魅力だと思った。 この世代の人々は大抵、一瞬でも"辞めるか辞めないか"を悩んだことがあるはずだ。自分の音楽スタイルがあるのに、それをむき出しにして、ぶつかって曲を作るなんて、それこそ20代のやることだ。企画がありきたりすぎる。そのことに戸惑う三人の姿は、確かにドキュメンタリーそのものなのだけれど。 大沢が豪語していた"LOST CONTROL"の意図は、わたしの見解と異なった。保守的部分に打ち勝つ行為とは、必ずしも新境地ではない。セッションをして、新境地を見出すだけなら、40代じゃなくてもできる。これじゃ、ただの頑固親父たちにしか見えず、完全に空回ってしまった。題材が良かっただけに、惜しい。でもたぶん、本物のドキュメンタリーっていうのは、こうまでつまらないものなのかもしれない。 1999年。中江監督作品。 ナビィの恋 [DVD] ![]() スネオヘアーが30代代表として「40代には早く辞めて欲しい。世代交代ができない」と思わず零した部分が、唯一の見所。40代だからこその魅力は、もっと根底的な部分にある。 あ、それと"FREE BURMA"のTシャツアピールしたり、「長年の友人」として宮沢和史を紹介した浜崎氏、ナイスです。 ANTHEM.NET TOPに戻る <バックナンバー> ■ライブレポート『斉藤和義 "LIVE TOUR 2008 歌うたい15<16』--永遠のギター少年 ■シネマレビュー『ロック誕生』--先駆者の道のり ■ライブレポート『エレファントカシマシ JCB HALL ワンマンライブ』--腐った心にも届く音 |
| << 前記事(2009/01/13) | トップへ | 後記事(2009/01/15)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2009/01/13) | トップへ | 後記事(2009/01/15)>> |